居場所をください。



当たり前だけど、撮られる撮られる。

そこらへんの人に写メを撮られ、

話しかけられ、

貴也なんてショップにつく頃には

軽くげっそりしていたけど

やはりプロだから私以外の人には

そんなところも見せたりはしない。


ショップに入ろうとした瞬間まで

握手を求められ、さっさと手を握り

振り返った瞬間の誰にも見せたことない顔をみて

思わず笑ってしまった。


「かわいい顔が台無しですよ。」


「…るせぇ。」


機嫌も最悪だ。


「ちょっと初期の頃に戻ってるよ。」


なんてからかうけど

どんなに疲れても私の手は離さない。

そんなとこが愛しくてたまらない。


「美鈴どの機種にすんの?」


「貴也と一緒のやつ~」


「うわ。」


貴也も休みの間に変えにいったのか

最近発売されたばかりのスマホへ変わっていた。

そして私も映画公開の前に

その機種をたまたま予約してたから

たまたまだけど、私たちは同じスマホになる。


まぁ別に特別でもなんでもないんだけどさ。



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