居場所をください。



それからはスイスイと機種変をした。

それはいいのだけれど………


「…なに?どうした?」


「ううん、なんでもない。」


そこのソファに俳優二人が肩を並べて座ってる。

お店に入ってきた人はその異様な光景を

必ず二度見する。

それが面白くてたまらない。


「お待たせしました。」


そして、いろんな設定もしてもらって

やっと私はそのスマホを受け取った。


「ありがとうございます。

…なんかすみません。お騒がせしてしまって…」


あんな二人がそこに座ってるから

このお店に用がない人までもが

このお店に入ってくる。


絶対に迷惑をかけているから謝罪をすると

お姉さんは笑顔で

「またのお越しをお待ちしております。」

と、私に頭を下げた。


だから私も軽く会釈をして

そこのソファに座る二人をつれて

さっさとお店を出た。


「もー、あんな目立つところに座らないでよね。」


「あそこしかソファがないんだから仕方ない。」


そうだけど。そうだけどさ。

外から丸見えだよ、まったく。


「で、次どこ行く?」


「もちろんお買い物~」



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