居場所をください。



建物にはいって早々

現れる私と隼也のパネル。


「美鈴、写真撮らねー?」


「でも許可とかいるんじゃない?」


「契約までしてるんだから

そこらへんは寛大な対応をしていただきたいわ。」


と、とりあえず私と隼也で

パネルの前で写メ。

その時と同じポーズをとって。


これをどこかに載せるとなれば

やっぱり許可が必要になるし

さっさと佐藤さんに連絡して

上の人へ許可をとってもらった。


こういうことは店舗の人に聞いたところで

どうにもならないから

こっちの方が早いしね。


「えーと、階段は…」


「は?階段?」


「三階に行くから。」


エスカレーターもエレベーターもある。

でも使えるところは階段を使わないとね。


「でもなんで三階?」


「だってお揃い、買いたいじゃん。」


私がそういうと

貴也はまた優しそうに笑った。

この人は本当に出会った頃とは別人並みに

私には優しくなった。


「んじゃ隼也は二階でも見てれば?」


「うわ!」


隼也には相変わらずだけど。

それでもこんなに雑なのも隼也だけ。

きっと隼也のことも大好きなんだろうな。


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