居場所をください。



隼也は結局自前の眼鏡をかけ、

二階へと流れていったから

本当に私と貴也だけで三階へ行った。


「あ、これこれ。」


絶対買いたい!と狙っていたお品。

前の撮影では着れずに

買い取りもできなかったこれを

是非とも買いたかったんだ。


なにより、撮影用に用意された服は

私と隼也のサイズになってるから

隼也のを貴也が着たらブカブカになりそうで。

細いから。


「へー、ニット。

初めてだな。」


「でしょ?貴也着ないよね。

でも貴也かわいい顔してるし細いし

胸元開いててもいいよ。中性的っていうか

エロっぽくって。」


「………そんな目で見てるわけ?」


「変なものを見るような目で見ないでよ。

でも冬はパーカーとか増えるし

いいじゃん、ニット。」


私の大好きなVネック。

これはお揃いというより

ユニセックスデザインなだけだけど。


「まぁいいけど。」


「あとこれ!」



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