居場所をください。



で、二階へ降りたはいいけど

隼也が女の子達に囲まれていたから

私たちは速やかにその場から離れ

とりあえずメンズ服を見ることに。


「うはー、このMA-1かわいー。」


「メンズじゃん。」


「あえてメンズを着るのも可愛いの。

メンズ服着ると逆に女の子らしくなる

っていうのかな……

私なんかがメンズ服着るとブカブカでしょ?

それで女の子の小ささが際立つっていうか

…わかる?」


「まぁなんとなく。」


「でもなぁ…そういうの

長曽我部さんは嫌うしなぁ…

男目線を気にした服は着るな、って。」


「はは、結局長曽我部さん基準じゃん。

やめたんじゃねーの?それ。

長曽我部さんももうなにも言わねーじゃん。」


「まぁそうなんだけどさ。

………やめた。」


私はまだ怖い。

私服くらい好きなもの着ればいいんだろうけど

それでも私はまだ、長曽我部さんが否定したものを

着る勇気はない。


「ほんと、かわんねーな。」


「………変わらなきゃ、なんだけどねぇ…」


いつかこんな私も

長曽我部さんの反対を押しきって

自分自身の意見を押し通す日が

来るのだろうか………


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