居場所をください。
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「で、あれどうする?」
少しの間、メンズ服を見てたけど
正直もうお腹も空いてきた。
それに飽きた。
メンズ服にも限界がある。
………かといってレディースエリアは
もっといけないし…
「少し集まるとどんどん集まるからな~。
あいつが振り切るしかねーのに
動く気あんのかな。」
「逃げるにも逃げられないしね。
服買わなきゃだから。」
「………ま。ここは店員に頼むか。」
…店員さん、そんな対応までしてくれるの?
大変だなぁ…
「ちょいあの柱のところで待ってて。
バレないようにな。」
「え?うん。」
言われた通り柱のところへ移動し
貴也の姿を探すと
本当に店員さんに話しかけていた。
と思えば店員さんはマイクで連絡を取り
しばらくして警備員さんがきて
それを見ると貴也は人だかりに近づいていった。
………にしても
私と貴也はバレないもんなんだなぁ。
眼鏡してるから?
普段と雰囲気が違うから?
この派手な髪の毛も、原宿では
まったく目立つことはないしな…