居場所をください。



みんなが集まったところで

私はみんなに、一枚の楽譜を

一枚ずつ配った。


「なにこれ。」


「えーと、ダンサー8人だし

一人三音担当ね。

ハンドベルでそれ演奏してほしくて。

一週間かけて作曲したから

みんな頑張ってよね。」


「え、ちょ、ちょ待って。

俺らがやるの?これを?」


「たっつんなら出来るよ、大丈夫。うん。」


「いや、そうじゃなくて……

なんでこうなってんのか

説明してほしいとのなんだけど。」


「長曽我部さんが私から外れるの。」


私は、みんなに私が考えたプランを

詳細に話した。

みんなの協力は絶対だから。


「だからお願い。

私はあの人に感謝してるの。

だから決めたの。

絶対最高の離任式にする。

最後だから。」


悔いが残らないように。

あの人が心の底から笑顔になるために。

私は、私に出来ることをするんだって。


「………わかった。」


「瞬…」


最初に返事をしてくれたのは瞬だった。


「ま、瞬がそういうならしかたねーなー。」


とたっつんがいうと


「達哉はハンドベルが似合わないな。」


と陽くんが言った。


「陽にだけは言われたくねーよ!」


「………ありがとう。」


やっぱり、私はこのメンバーが大好きだ。



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