居場所をください。




「ほら、年明けの渋谷って、

ものすっごい汚くない?

ごみめっちゃ落ちてるじゃん。

だからみんなでごみ拾い。

………ダメ?」


「そんなことでゴミ拾うか?」


「じゃあ私もゴミ拾いに行く。」


「却下。

美鈴は1日の仕事がもう決まってんだよ。

んな暇はない。」


………ダメかぁ…。


「………まぁ、そのくらいをつけるのは

別に構わないけどな。

普通の袋でいいならだけど。

ゴミを拾わなくても家には持って帰るだろ。

ライブのロゴと

美鈴の直筆メッセージとサインをいれよう。

プリントだけど。」


「うん、そうだね!

そうしよ。」


「んじゃ早速。」


え、もう?


「ほらよ。」


そういって、サラダを食べる私に

まっさらの紙を私に渡した。


「んー、なににしよう…」


「汚すなよ。

そのままスキャナーで取り込むんだから。」


はいはい。

………えーと、なにしようかな。


"大好きな渋谷が今日も綺麗でありますように"

で、いいかな。


「ん、できた。」


日付とサインも書き込んで、完成。


「袋はピンクにしてね。」


「はいはい。」



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