居場所をください。



「隼也にはって…お前にも俺と佐藤の他に

4人ついてるけど。もちろん貴也にも。」


………え。


「え!?え、誰!?」


「知らなかったのかよ。

ライブのとき、終わったあととか

風呂まで何人かで美鈴を囲むだろ。

俺と佐藤の他にも、女二人と男二人。

あれ全員美鈴のマネージャーだからな?」


「え。」


知らなかった…

そうだったのか。

あの取り巻きはみんなマネージャーだったのか…


「で、でもあのとき以外見ないよ?」


「当たり前だろ。

そもそも現場マネは佐藤なんだから

普通は佐藤だけがお前について

近状報告的なことを

たまに俺にすればいいだけなんだよ。

ただ俺は美鈴のライブのプロデュースもしてるし

ほかのチーフマネより美鈴に近いだけ。

現に、貴也だって佐藤以外のマネージャーと

一緒にいることってほぼないだろ。」


「…っていうか佐藤さんしか知らないし…」


「ったく、お前はもうこの世界にはいって

2年以上たつんだからな。

それくらいのことは知ってろよ。」


「だって誰も教えてくれないんだもん。

そもそも名前だって知らないし。」


「佐藤がかなり優秀だから必要ない。

あいつは若いのによくやってるわ。

しかもずっと現場でいいって言ってるしな。

だから美鈴は佐藤のことだけ

知ってりゃいいんだよ。」


「…はーい。」


次は絶対名札見よう。

自分のマネージャーの名前すら

知らないなんてそうとうやばいよ。



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