居場所をください。
「ってことで
明日は5時に迎えにいくから。」
「えぇ!はやー…
今日まだ仕事なのにー?」
「まぁしかたねーな。」
………長期休暇とってたから
文句は言えないか…
「…で、ここの階でなにするの?」
ついたのは会社内にある
ボイストレーニングスタジオ。
歌の練習は一人でやらない私は
ここへ来ることはほとんどない。
「まー美鈴も先輩になったからな。」
そういって、一番手前のドアを開けた。
その中からははじめて聞く歌を
歌っている女の子が一人。
だけど私たちが入ったから、
歌うのをすぐにやめた。
「気にせず続けて。」
だけど長曽我部さんがそういったら
またすぐに歌を歌いはじめて
私たちはただただそれを見ていた。