居場所をください。
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校門前につき、タクシーを降りても
亜樹と岳人の姿はなくて
颯太が連絡すればすでに高橋のクラスにいると…
待っててくれてもいいのにね。
「美鈴ちゃん、めーっちゃ見られてるけど
大丈夫?」
「最近平気になってきた。」
もう盗撮されても
イライラしなくなった。
もうなんでもいいよ、うん。慣れた。
「そういえば高橋って今年何組?」
「え、美鈴ちゃん知らないの?」
「…もしかして、颯太も…」
「だって美鈴ちゃん知ってるかと思って。
ま、3年の階に行けば見つかるっしょ。」
まったく、適当だなぁ…
8クラスもあるのに探すの面倒だよ…
「そういえば朔也は何組なんだろ。」
今年は全然わかんないや。
「ここ?3年の階って。」
「そうだよ。」
さーて、何組でしょう。
「あ、五十嵐!!」
「え、な、なに…」
さー、今からひとクラスずつ見て回ろう
って思った瞬間
私の1年の時の担任が前から走ってきた。
「待ってたんだよ!!」
いやいや、おかしいだろ。
私は客だぞ。
来るとは限らない客に向かって
"待ってた"って。おかしいだろ。