居場所をください。
レッスン場を出ると、すでに佐藤さんが待ってて
すぐに車に乗り込むと、咲さんはもういなかった。
「時間ないから急ぐよー。」
佐藤さんはそれだけ言って、
車を走らせた。
「長曽我部さんから、終わったら
家に来て欲しいって連絡きたよ。
夕飯一緒に、って。」
「え?でもどうして佐藤さんに?」
「さすがにレッスンまでは
隠れてできないからね。
レッスンは入れたって
長曽我部さんに報告済。
だけどレコは知らないから
レッスンのあとに瞬のところに行く
って伝えてあるから。
瞬にも事情説明済だから
美鈴ちゃんはレッスンのあと
瞬とダンスをして
それから長曽我部さんちに行く
ということになってるから。」
「はーい、わかりました。」
あ、だから今日は社用車なのか。
そしてここに飲み物がおいてあるのも
経費として精算できるからか。
納得納得。
「あ、じゃあ貴也に言わないとか。」
「そっちは長曽我部さんから
伝わったみたいよ?
俺から言っとくから~って言われたし。」
「ふーん?そうなんだ。」
準備がいいね、ずいぶんと。
まぁいいや。