居場所をください。



「レッスンはどうだった?」


「まー…

珍しく先生といろんな話をした、かな。」


私はそういって、二人のソファに

私も座った。


「どんな話?」


「小春ちゃんをどうして引き受けないのか。」


私のその言葉に

長曽我部さんは座り直して

身を乗り出すように私を見た。


「え、何て言ってた?」


「未来が見えるやつはつまらない

…だってさ。」


「……ってことは、長続きはしないってことか。」


「それに、どこかでレッスンを受けてきたから

やりにくいみたい。

私は空っぽのまま来たからいいらしいけど

他のレッスンを受けてきた人は嫌なんだって。」


「まー水木先生はダントツで厳しくて

レッスンもハードだからな。

他のレッスンを知ってるやつからしたら

厳しすぎて嫌になるのかもなー。」


……逆に言えば、

他の先生たちのレッスンは

いったいどんだけ楽なんだろう……


私もそっちがいいよ

……って、たまに思うよ。


あの人がいるから、

今の私がいるのかもしれないけどさ。


「瞬の方は?」


「あー…打ち合わせ的な感じで

特に踊ったりはしてない。」


「ふーん、そう。」


……まぁ、実際瞬のところに行くとしても

水木先生のレッスンのあとじゃ

もう体がくたくたで無理な気もするけど。


「ご飯できたよー」



< 3,975 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop