居場所をください。



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「なぁ、美鈴。」


「ん?」


深夜2時

私たちはやっとベッドイン。


眠くて眠くて

もういつ落ちても不思議ではないくらい。


「俺らまだ18じゃん?」


「うん。それが?」


「普通高校生で付き合った場合さ

別れたりすんじゃん。

……美鈴はいいわけ?俺と同棲してて。」


「はは、なにそれ。」


「真剣に聞いてんだけど。」


「そりゃ貴也といろんなことで

合わないなって思うことがあったら

きっといつか別れちゃうと思うけどさ

私は貴也と一緒に住んでたって

苦痛に思うことってないんだよね。

お互い口うるさく言う方でもないけど

言わなくてもやることはやるしさ。

まだ貴也のこと好きだって気づいた頃は

刺激的なものもあった楽しさもあったけど

今では安心感って言うか……

今日帰って来て明かりがついてて

貴也がいてくれて、ご飯が美味しくて

今はベッドが暖かくて

会話のテンポも心地よくて

すべてにおいて、一緒にいて

いい意味で楽なんだよね。

激しい感情がなくて、自然と

優しい私でいられるんだよね。

尖ってばかりいた私が

こんなに優しくいられるのは貴也だけ。」


この人と長曽我部さんとの違いは

ただ一点だけ。

絶大的な安心感。

頑張らなくてもいいんだって思えるくらい。

激しい喧嘩をしてたとしても

きっとこの人は私から離れたりしない。

きっといつだって私のそばにいてくれる。

1年間、離れた期間があったからこそ

必ず戻ってきてくれる信用性ができたんだ。


「貴也にフラれない限り

たぶんきっと、ずっと一緒にいると思う。」


手にいれてしまったこの安心感は

もう二度と失いたくない。



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