居場所をください。
「……そっか。」
「だいたい、みんながみんな
別れちゃうわけじゃないじゃん。
そのまま結婚する人だっているんだし
……まぁ離婚する人もいるけどさ
でも死ぬまで一緒にいる人もいるわけだし
人それぞれじゃん。
まぁ私たちだって、貴也が振ったら
終わっちゃうと思うけど。」
「アホか。」
「……じゃあ私たちも大丈夫だよ。」
ずっと私の将来の夢は
"家族を作ること"だった。
だけど、そんな私の夢にも
変化が訪れたんだよ。
"貴也と家族になりたい"と。
長曽我部さんが新しい家庭を築く。
だから私も、新しい家族がほしい。
もうひとりぼっちにはなりたくないんだ。
「……ねぇ、貴也?」
「ん?」
「ずっと私のそばにいて。
私のために。」
私がそういうと、貴也が優しく微笑み
私はいつの間にか、夢の世界へと
行ってしまっていた。