居場所をください。
「……やっぱり、ここからでも
星はあんまり見えないね。」
「そうだな。
でも見えないだけで
本当は数えきれない星があるんだろうな。」
「じゃーお願い事でもしとこっかな。」
「なんて?」
「秘密!」
私の願い事はいつだってひとつだけで
何年も何年も同じ事を願ってきた。
だけど、今だけは違うことを願いたくなった。
「じゃあ俺も願っとくかな。」
「貴也はなにお願いするの?」
「美鈴が言わないなら俺も言わねーわ。
さっさと手でも合わせとけ。」
「ケチ!」
「人のこと言えないだろ。」
貴也がそんなことを言うから
私は大人しく空に向かって手を合わせた。
"この恋が、最後の恋でありますように"