居場所をください。
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「そろそろ行くか。
風邪引いたら困るし。」
「んー、もうそんな時間か。」
たった10分そこそこだけど、
私たちはもう降りることにした。
なんといってもここは屋上。
寒いにもほどがあるってものだ。
「貴也貴也。」
「なに?」
とりあえず"ありがとう"の意味も込めて
思いっきり背伸びをして
久しぶりに私からキスをした。
「……珍しいこともあるもんだな?」
「いつもしてもらってばかりなんでね。
行こ!」
「の前に。」
そういって、貴也も私にキスをした。
私の頭に触れる貴也の手とか
離れたときの優しい笑顔とか
もう、全部全部大好きだ。