居場所をください。
「よう、美鈴。」
「あ、高橋~。
今日もありがとね。
もう帰る?」
「帰るよ。
今帰る客の動画とってきたとこ。」
「あ、お金あとでもいい?
今なんか急いでるみたいで。」
「あぁ、それは全然いいんだけど」
「じゃあなにしに来たの?」
「美鈴、結婚すんの?」
「え?まぁ、さっきするって返事したからね。
具体的にいつするのかはわからないけど。
それがなに?
………あ、もしかして
高橋寂しいんでしょ!」
「は!?」
「大丈夫大丈夫。
たとえ籍を入れてもあんたとは友達でいるから。」
「ばっ…、ちげーわ!」
「むきになるなって~。」
「ちげーつってんだろが!」
「じゃあなんなの。」
「……それは…」
「……やっぱり寂しいんでしょ?
高橋の一番は私だもんなぁ。うんうん。」
「調子乗ってんなよ!」
「でも、あんたは私の一番の、
自慢の友達だよ。
これからもずっとね。」
「……美鈴…」
「あ!ほらやっぱそうなんじゃん!
かわいいやつ~。」
「は!?うるせーよ!」
大丈夫。
私はあんたも大事だから。
長曽我部さんへの愛
貴也への愛
そして、高橋への愛
全部が違う感情だから
私にとって、高橋も一番だよ。
本当に。