居場所をください。
ステージに完全に上がると
それはそれはまぶしいくらいの光があたり
耳が痛いくらいの歓声に会場が包まれて
「ラストナンバーいくよー!」
沖野さんのその声を聞いてから
沖野さんとイヤモニを装着した。
そこから流れていたのは当然、
私の曲、Bestfriend。
私の曲にも関わらず
メインは沖野さんのこの曲。
これを知ったとき、泣きそうなくらい
本当に嬉しかったな。
「"桜咲き 今年も君を思い出す
君と桜をみたことないのに
なぜか君のことを思い出す"」
そう歌い出す沖野さん。
それは私が考えた歌詞なのに
なぜか私が泣きそうだった。
「"辛かったね 傷ついたよね
怖かったよね ごめんね
君を一人にしてしまって
時々ぶつかることもあるけど
そんな君が好きだから
そのままの君でいてほしい"」
そう歌いながら、
沖野さんが客席を指差すから
ファンに向けられた言葉に捉えられて
それが本当にまた涙を誘った。
かと思ったら沖野さんは
今度はこちらへきて、
私の手をまた握って
それに合わせて私もハモり始めたんだけど……
「"僕はもう君を一人にはしない
大丈夫 僕が君のそばにいるから
いつも君を抱き締めてるから"」
自分で書いた詞に、泣きそうになって
なんかもう、歌どころではない。