居場所をください。



「よ、タコパぶりだな!」


そうやって俺に話しかけてくるけど……


「…その気持ち悪い笑顔

こっちに向けないでくんない?」


いかにも作ってますって笑顔が

ムカついて仕方ない。

これが貴也との差なのかもな。


「……はは、だってさ、隼也。

もうそれやめなよ。」


あ、笑った。

美鈴が笑った。

……なるほどな。

わざわざ貴也が迎えにいって

そのあと無駄に高いテンションで

大谷隼也が入ってくれば

気使ってるのがバレバレになるってことか。


「うるせ!俺はもうこれがクセなんだよ!」


あ、素になった。


「顔赤いよー?

本当は素人に見破られて

悔しいくせにー。」


なんて、美鈴もいじりまくりだけど

…じゃっかんかわいそうに思えてくるわ。


「つーか隼也、いつまであそこにいるわけ?

引っ越せよ。」


と父さんまでもが会話に加わった。


「来月更新なんで、

今月中には決めまーす。」


でも、やっぱこいつはすごいかも。

大谷隼也がきただけで

さっきの空気が壊された。



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