居場所をください。
「あれ、弘希だ。
めずらし。」
「父さんは向こうにつくんだと。
俺まで巻き込むなよな。ったく。」
「あはは、さっき
見かけたら話しかけてね!
ってSNSに書いちゃったから
まぁ仕方ないよ。
でも人も増えてきたし助かったよ~。」
「何人かあとついてきてるけどな。」
「知ってるよ。
だって見てよ、貴也の顔。
すっごい可愛い顔してるもん。
笑ってはないのに。」
そういって美鈴は
貴也の頬をツンツンとしていたけど
……これも営業モードってことか。
「美鈴。」
「ん?」
完全に浮かれモードな美鈴に
ちょっと真剣そうに、貴也が話しかけた。
「長曽我部さんにちゃんと謝れよ。
今回は美鈴が悪いんだから。」
「……はーい。
わかってるよ。
ただなんか売り言葉に買い言葉で…」
「言い訳すんな。
別に長曽我部さんだって
やめたくてマネージャー
おりたわけじゃねーんだし。」
「……うん。
あとでちゃんと謝ります。」
「わかればよし。
俺らも早くいこ。」