居場所をください。
仲良く手を繋ぐ二人の横を
俺も歩く。
……それがなんとも虚しいというか、なんというか…
彼女いるけど…なんか虚しくなる。
俺ここにいていいのか……
「あ、高橋と亜樹もいるよ。」
その言葉で前を見ると
まぁなんとも簡単に
お参りを済ませてる二人。
願い事とかねーのかよ。
「俺らも早くいこ。」
と、俺ら5人も
お賽銭をだし、鈴をならしてから
金を入れた。
……ここってきていつも
なにを思えばいいのかわかんなくなって
とりあえず今年も元気で……くらいしかなく
俺も人のことは言えずに、すぐに頭をあげた。
それはやっぱ貴也たちもおなじみたいだけど
美鈴と父さんだけが、長く手を合わせていた。
「…よし。」
美鈴はそういって、最後に頭を下げ
階段を下りてきた。
そのあとすぐ、父さんも。
「みんな早いね。
お参りの時は名前とか住所とかも言わないと
神様、どこの誰にお願い事なのか
わからないんだよ。みんなちゃんと言った?」
「へー、そうなんだ。」
知らなかった。
まぁでもこれと言ってとくに
願い事もないしな。
「よし、次絵馬ね!」
「絵馬~?」
「えー、弘希書かないの?
ここの神社、よく叶うから
絶対書いといた方がいいよ!」
……だから、そこまでして
叶えてほしい願い事もとくにねーんだよ…