居場所をください。
俺は本当に世界平和と書いて、
結びにいこうと向かうと
先に、美鈴がもう結んでいた。
「"今年も自分らしく
楽しく全国回るぞ!"ねぇ。」
「ちょ、見ないでよ!」
「見えちゃったんだよ。
こっちが仕事用ってことな。
プライベート用のはもう結んだんだ?」
「弘希には見つからないところにね。」
「別に探さねーよ。」
と、俺もとりあえず美鈴の横にくくりつけた。
「世界平和って。めっちゃ欲がないね。」
「アホか。めちゃくちゃでかい願い事だろ。」
「まぁそうなんだけどさ。」
なんて会話してる頃には
みんなもくくりつけていた。
瑠樹は"赤点回避"とバカさ加減前回。
……いや、待てよ?こいつ一高。
……俺の方が頭わりーじゃん、くそ。
亜樹なんか"金がほしい"だし。
貪欲だな。
つーか父さんのいとこなら
普通金持ってるんじゃねーの?
大谷隼也は"今年こそNo.1!"って。
……なにが?
「ってか父さんどんだけ上につけてんだよ。」
「空に近い方が叶いやすい気がするだろ。」
ふーん?そんなもんか。
「よし、じゃあ次おみくじね!」
そういって美鈴はまた
貴也の手を握って元気に歩き出した。