居場所をください。
「はは、なに泣きそうになってんだよ。」
そういって私の頭に
長曽我部さんは手をのせた。
その手がまた暖かくて
私の目にはどんどん涙が溜まっていく。
「それに、美鈴が歌手だろうがなんだろうが
俺はお前の兄貴だよ。
だからなにがあったって
美鈴を見捨てたりはしねーよ。」
「……うぅー…」
「貴也と結婚しても
たまには俺のことも頼れよ。」
下を向いて必死に隠し
我慢してた涙が溢れて
もう隠しきれなくなったから
「うわ!…ってぇー…」
しゃがんで私に
目線を合わせていた長曽我部さんに
私はベッドから思いっきりダイブして
長曽我部さんに抱きついて、涙を隠した。
だから当然、長曽我部さんは頭をぶつけたけど
私は構わず長曽我部さんに抱きついて顔を隠した。
「…はぁ、仕方ねーな。」
長曽我部さんはそう言いながらも
片手で私を包み、片手で私の頭を撫でた。
それが言葉にならないほど、心地がよく
「俺も、誰よりも愛してるよ。
美鈴をな。」
その言葉に包まれながら
私はまた、眠りについた。