居場所をください。
今年もこれからも、私の隣にはいつもあなたがいて

貴也side




***


「寝坊したー!!

なんで起こしてくれないのー!」


「何度も起こしたわ。」


一昨日、美鈴は打ち上げで寝て

長曽我部さんと連れて帰ってきて

一回起きたのか話し声が聞こえたけど

長曽我部さんが帰るときにはもう寝てて

結局昨日は会見ギリギリまで

一度も起きることはなかった。


……おかげで朝方まで眠れなかったらしく

朝からこの始末…


「もう9時50分!?

タクシー呼ぶように頼んでー!!」


「はいはい。」


俺は午後から仕事なのに

なんでこんな朝から忙しいんだか…


『はい、どうされましたか?』


「すみません、1908の松野ですが…

タクシー呼んでもらえます?

急ぎで。」


『かしこまりました。』


コンシェルジュにタクシー頼むの初めてだし。

自分で呼べよって感じだよな。


「ちょ、貴也!

髪の毛やってくんない!?」


なんで今日に限って

そんな寝癖ついてんだよ…


「俺にそんな技術はねーよ。」


「タクシー頼んだ!?」


「頼んだよ。

すぐ来るだろ。」


そしてそんな騒がしい我が家。

だけどテレビの中でも

俺たちはお騒がせだ。


"結婚を決めた決め手はなんですか?"


"んー、やっぱりお互いが

居場所を求めていたからですかね。"


"居場所、ですか?"


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