居場所をください。



……なんか、いいなぁ。

学生かぁ。キャピキャピしてる。


そういえば一番最初、

キャピキャピ感出せって言われたけど

これがキャピキャピ感なのか。

……やはり若さが足りない気がする。


大きな音で音楽聴いてる人もいるし。

そこは私の歌を流してほしいところだよ。


……なーんて考えていると

あっという間に時間は過ぎていき、

急に食堂が賑やかになってきて

授業が終わったのか、と私でもわかる。


……そういえば高橋髪の色変わったのかな。

卒業したばっかの頃は黒かったけど…

……あの高橋なら黒のままはないよね?


目立つ色なら分かりやすいのにな~。


んー…

「……あ、あれか…?」


赤い髪の毛。

あのハデさはなかなかいないよな。

……貴也ん時も思ったけど

どうしたらあんな綺麗に赤くなるんだ。

私もやってみようかな。


「ねーねー、サークルとか入ってるー?」


「よかったら俺らんとこ入らない!?」


……え?


「私、ですか?」


「他にいないじゃーん。」


……まじか。サークルだって。

めっちゃ大学生っぽい。


「ね、もしよかったらだけど

今から一緒にいってみない?」


「あー、私待ち合わせなんで…」


「あ、友達と一緒でいいよ!」


あー、そりゃそうか。

サークルって友達同士で入ったりするのか。

……でも私、ここの学生じゃないって。



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