居場所をください。
「美鈴!?」
ん?
「…あ、高橋~。
早く終わったからお迎えに来たよー。」
向こうからこちらを見てるのは
やっぱり髪の毛の赤い高橋だった。
さすが高橋の友達。
金髪やら銀髪やら……派手だ。
「なんだ、彼氏待ちかよ~。」
「や、彼氏ではないですけどね。
でも私、ここの生徒ではないので失礼します。」
パソコンを片付け、
恐らく年上であろう男二人組にそういって
私は高橋の方へと向かった。
とりあえず派手な集まりだけど
私も一段と派手だしね。
「ちょ、おま…
ここでなにしてんだよ!」
「なにって、だから高橋をお迎えに。
今日仕事もともと休みだったけど
長曽我部さんと会場見に行っちゃって
早くここに送られたから。」
「ここでそういう話はするなって…」
大丈夫大丈夫。
ぜんっぜんバレない。
「ねー、これ見学とかできないの?」
「アホか、お前は。
さっさと帰るぞ。」
「えー、でもまだ高橋の彼女と会ってないよ。」
「別に会わなくていいわ。
ってかもう帰ったし。」
「じゃあ弘希は?」
「知るか。学部が違うから会わねーし。
ってかバレたらめんどいから行「それ噂の彼女!?」
高橋の声は、それはそれは派手な男に遮られた。
「……ほら、食いつかれた。」
「顔見られてもぜんっぜんバレない。」
そんな話をこそこそとしてると
派手な集団がこちらへときた。
「彼女じゃねーし。
俺はこんな派手な女、タイプじゃねぇ。」
「その髪の毛がよく言うよね。」
私より絶対あんたの方が派手だよ。
私は髪の毛白っぽいだけだもん。
化粧だって今日は控えめだし。