居場所をください。



「あ、確か高橋とライブ来てた人だ。」


「あぁ、そうそう。

橋下裕太、同じ大学な。」


「あ、ども。」


……それだけ?おい。

お前誰だよ、別人かよ。

もしかして緊張してんのか?


「私、松野美鈴。

たぶん知ってると思うけど

松野貴也と、向こうにいるのが大谷隼也ね。

で、隼也となにか作業してるのが

うちの事務所の人で、長曽我部さん。

このメンバーで休みが揃ってたから

誘ってきちゃった~。よろしくね。」


それはいい、んだけど……

裕太はガチガチ。

…さゆもガチガチ。


お前ら、めちゃくちゃ意識してんじゃねーかよ。


「さゆりちゃんもこっちおいでよ~。

そこにいると焼けちゃうよ?」


「あ、うん…お邪魔します…」


に、してもだよ。

大谷隼也も常ににこにこ。

美鈴も常ににこにこ。

長曽我部さんからも優しい雰囲気が醸し出されていて

いつも通りなのは貴也だけ。

なんだこれ。みんな意識しすぎだろ。



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