居場所をください。
「ってか泳がねーの?美鈴。」
「はぁー?待っててあげたんでしょうが!」
……とかいいつつ、しっかり五十嵐美鈴。
なんだこれ。
「美鈴、俺と瑠樹と長曽我部さんで
ここで荷物番してるし
先に海行ってくれば?」
「え、貴也は行かないの?」
「俺はあとで。
ちょい佐藤さんに連絡しなきゃだし。」
「じゃあ高橋はいいじゃん。
行こうよ。」
「長曽我部さんが瑠樹に用があるんだと。」
……え?
「ふーん?わかった。
じゃあ先行くね。
あ、長曽我部さんもあとで遊ぶんだからね!」
「暑いのはパス。」
長曽我部さんの返事なんか聞いてないかのように
さっさと着ていたパーカーを脱いで
大谷隼也とさゆと裕太を連れて
美鈴は海へと走っていった。
「見たかよ、あの腹筋。」
「色気もくそもねーな。」
ま、美鈴らしいっちゃ美鈴らしいけど。
「……で、俺になんか用?
わざわざ俺だけ残して。」
「ま、座れば?
暑くねーの?そんな日向にいて。」
「そりゃあちーに決まってんだろ!」
つーことで、俺もパラソルの下のシートに座った。
長曽我部さんなんて寝てるし。
この人のこういうところ、初めて見たわ。