居場所をください。
「ありがとうございました。」
私は一人、レッスン場を出る。
お腹すいた。なに食べよ。
無難にうどんかな。
はやくサラダうどん復活しないかな。
食堂だとあれが一番好き。
夏しかでないみたいだけど。
なんかホッケとか食べたいな。
日替わりでいいかはたまに出ないかな。
リクエストしてみよ。
もう今さらかな。
そんな食べ物のことばかり考えながら
徒歩数分で会社へついた。
「お願いします!」
「だから困ります!」
……………ん?なんだ?
「伝言だけでも……。」
あぁ、誰かに用なのか。
「五十嵐さんは今いませんから。」
え、私?
いや、もしかしたら社員さんかもだし…。
どうする?ま、いっか。
「どうしたんですか?」
話しかけてみた。
「あ、五十嵐さん。この方が…。」
「五十嵐美鈴さん!」
「え、あ、はい。」
勢いがすごくて後ずさりしてしまった。
っていうか私歌手だった。
こんなとこで一般の人とあってていいのか?
そういえば社員口から入れって言われてた。
思いっきり正面から入ってきちゃったよ。