居場所をください。
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「長曽我部さん、確認お願いします。」
「あ、早いな。さすがだな。」
山積みな書類に、また書類が積まれる。
これを今日中に確認、サインに捺印……
考えただけで嫌になるけど
「そういえば美鈴から歌詞来ましたよ。
長曽我部さんも見ます?」
「あれ、早いな。」
「長曽我部さんがチーフマネを降りた途端に手がかからなくなりましたね。」
「なら最初からそうしてくれよって話だけど。」
「それは本音ですか?」
……なんだか楽しそうに笑ってんな、佐藤。
まぁ確かに最近美鈴と会うことも減って、美鈴が俺にわがままを言うことも
甘えてくることもかなり減ったけど…
「そりゃ仕事は早い方がいいだろ。」
「そのわりに、長曽我部さんは退屈そうですね。」
「佐藤は楽しそうだな。」
「楽しいですよ。
長曽我部さんと美鈴と貴也が三角関係みたいで。」
「うるせーよ。
それより飯行くか。もう12時半だし。」
「その前に先に確認をお願いします。」
「はいはい。仕事熱心だな。」
……にしても
貴也のこのスケジュール。なんだこれ。
ぎっちぎちじゃねーかよ。
出発前日も舞台かよ。なんでこの日程で旅行に行こうとしたんだ。
「……はい、OK。」
「それから美鈴の英会話の方なんですけど」
「あ、そっちはもう申し込んだから」
「……長曽我部さんが、ですか?」
「社長が金出したがるからな~
毎週日曜日の19時から一時間のレッスンな。」
「了解です。」
美鈴のスケジュールはとりあえず落ち着くか…
こいつは旅行から帰ってきてからカウントダウンライブが始動、な。
カウントダウンが終われば秋からの5th Anniversaryツアーからのワールドツアーのも考えなきゃだし
とりあえずはそんな過密じゃないか。
「…飯いきます?」
「そうだな。」
とりあえず山積みの書類をしまって、佐藤と食堂へ向かった。
「あ、そうだ。
貴也の宣材写真新しくしといて。」
「わかりました。
そういえば美鈴もデビュー以来そのままですけど、美鈴も新しくしますか?」
「そうだな、そうするか。」
「わかりました。」
……まじで、こんだけ仕事できるのに
他のやつに比べて本当に仕事すんのに、現地マネ希望なんてもったいねーよな。
給料は増えても、上に上がらねーと限度はあんのに。