居場所をください。



で、長曽我部さんはいつも通り

遠慮なしに鍵を開けて挨拶もなしに廊下を歩き、リビングのドアを開けた。


「よう。」


「あれ、どうしたのー?二人揃って。
仕事ー?」


で、久しぶりに見る美鈴ちゃん。
最後に会ったのは出産前日だったから、けっこう久しぶりだ。


「いや、一ヶ月間は絶対に仕事持ってこないって言ったろ。」


「いやいや、長曽我部さんだし?
それに佐藤さんまでいるんだもん。」


「佐藤がまだ朝陽に会ってないって言うから連れてきただけ。
……朝陽は?ついでに貴也も。」


「あ、今お風呂で沐浴中~。
貴也の大好きな時間だから仕方なくここで待ってるの。
長曽我部さんも邪魔したらキレられるよ。」


「はは、確かに。
じゃあ出てくんの待ってるかな~。」


と、とりあえず二人の会話が終わって長曽我部さんもソファへ座ったところで


「…沐浴ってなに?」


俺も、ソファへ座ってみた。


「赤ちゃんはまだ一緒にお風呂は入れないから、別のちっちゃい浴槽みたいのに入れて体洗うの。」


「へー、それを貴也がやってんの?」


あの貴也が?


「そうだよー。
お風呂は男同士で、とかいって退院してから家にいる日は毎日やってるよ。」


……あの貴也が。まじかよ。
あの貴也が。想像できねーんだけど…


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