居場所をください。



それから数分後、風呂からの呼び出し音が鳴って、美鈴ちゃんは走ってリビングを出ていった。

かと思えばなんかバスタオルを抱いてこっちにきた。


「佐藤さん!朝陽だよ!ご機嫌だよ!
今!!今めっちゃかわいいから見て!見て!!」


と俺にバスタオルをくっつける始末。


「…うわー、ちっさ。
へぇ、美鈴ちゃんに似てる。可愛いね。」


「・・・それだけ?」


「え?」


あれ、なんかもっと言った方がよかった?
間違ってた?


「はは、佐藤。
そこは生きてきた中で一番かわいい
くらい言わないとダメなんだよ。」


・・・はい?


「本当のことじゃん!!」


・・・はい?


「あれ、なんで佐藤さんと長曽我部さんいんの?
仕事?」


「あ、貴也!佐藤さんが朝陽可愛くないって!!」


・・・はい?


「……は?」


「こんなに可愛いのに!!」


「ってか美鈴、朝陽に服着せるし。
貸して。」


「え、私やる。貴也座ってなよ。」


「いや俺やるしお前が座ってろよ」


「私がやる!!」


「ほらほら、朝陽が怖がるだろ。
どっちでもいいからさっさと体拭いて着せてやれよ。」


そんな長曽我部さんの一言に、美鈴ちゃんはマットの上に朝陽を置いて二人でヤイヤイ、朝陽を取り合っていた。

……けど




もしかして、激しく親バカなのか?こいつら。




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