居場所をください。



「だから佐藤さんも結婚すればいいのに。
忙しいとか関係ないじゃん。

結婚ていいものだよ?」


「……そこで俺に振る?」


「だって前、咲さんここに来たとき」


うわ、あいつきたのかよ。1人で。
俺もつれてけよ。つーか聞いてねーし


「私も早くママになりたい、っていってたよ?」


「……え?」


「そんなわがまま言えないけどね、って。」


……咲が?俺には全然そんな素振り見せないのに…


「佐藤。」


ずっとテレビチェックをしていた長曽我部さんが、ここで俺に話を降ってきた。


「結婚するなら早めに報告しろよ。」


「……はい。」


たったそれだけ。
たったそれだけで、伝わってきた。


"結婚してもいい"って

あの、長曽我部さんの方から……


「でも朝陽まだちっちゃいから式いけないのはやだー」


「ちょっと?まだ誰も結婚するなんていってないけど?」


「ま、式は来年でもいいもんね!」


「そうだな。咲はホテルとかでこじんまりしたのやりたいって言ってたし
式は未定って発表しておけばいいし。」


……勝手に話進んでるし…

っていうか咲は長曽我部さんにそんなことまで話してんのかよ…


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