居場所をください。
「……でも、今ヒロくんと一緒になったら勘づく人も出てくるかもしれない。
電撃結婚と言われるか、裏切ってたかの二択になるなんてやだよ。
せっかく私を好きになって私を応援してくれてたのに…」
「……裏切ってたのがバレて、離れていくのが嫌なんだろ?」
「…うん」
それ、前も聞いたわ。
俺がコクったとき、俺と付き合うと決めたとき
一度や二度じゃない
それだけ、咲が悩んできた事も知ってるよ。
「その話、実は今日美鈴ちゃんに話しちゃったんだよ。
あまりにも結婚しろって言うからさ
咲の悩みを話せば納得するかなーと」
「それで、納得したの?」
「そしたら美鈴ちゃんさ、『それを言うなら、ファンを裏切ったことない芸能人なんているの?』なんて言い出したんだよ。」
「・・・はい?」
はい?だよ。ほんとそれ。
俺も『は?』って言っちゃったよ。
「『貴也はファンどころか世間を19年間騙し続けてキャラ作って、私だって本当はそんないい人じゃないのに勝手に作られたキャラに乗っかってるだけ』ってさ」
「……まぁ、それはそうだけど…」
「他にもさ…」