居場所をください。

「それさ、なんでそんなこと言ったの？」


「なんかそのファンの子が受験を終えた高１の子で、その子は希望校に受かったんだけど一緒に頑張ろうねって言ってた友達は落ちちゃって
元々その希望校はその子の友達がすごく憧れてた学校だったから、それで嫌われちゃったんだって。

『傷つけてしまった友達になにかしてあげられることはないですか？』って。」


「……それで、まずは自分の幸せのために自分の人生ちゃんと歩け、と」


「そんな感じ。」


言い方きついなー…
長曽我部さん怒ってねぇのかな

美鈴ちゃんはもっと優しいキャラで頼むよ…


「だから私も、自分の幸せを最優先に考えてみようかな」


「……え？」


「たとえそれで嫌われても
みんなが幸せな道を見つけられるならそれでいいのかも」


……それって、…そういうこと？だよな？


「もう、嘘はつきたくないや」


「え、え？」


「明日、社長のとこ行って相談してくる。
それで罰があっても、私また頑張れる気がする。

それだけでヒロくんの近くにいられるようになるなら」


「ちょ、え？
もしかして公表するってこと？」


「そうだけど。ダメ？」


「……活動停止になるかもだぞ
いいのかよ」


「そんな覚悟はとっくの昔にしてるよ。
じゃなきゃ私は今、ヒロくんの彼女やってないもん。」


「……本当にいいのか？」


「まーめっちゃ言われるかもしれないけどさ
でもきっと、傷ついたらまた美鈴ちゃんに癒されるよ。

今は美鈴ちゃんの時代だもん。
きっとまたきつめの名言が飛び出して、私を励ましてくれるよ。」


…きつめなのは困るけど


「……わかった。
じゃあ明日の昼、一緒に社長のとこ行こう。
俺から長曽我部さんに話しとくわ。」


「え？ヒロくんもいくの？」


「当たり前だろ。
俺が好きになって、俺が付き合ってくれって言ったんだから。
責任は俺にあるからな。」


「……ありがと。
じゃあ許可が出たら先に親に言わないと！」


「そうだな」