居場所をください。
自分の心が決まったからか、咲の笑顔はいつもより幸せそうで
そんな笑顔を見てるだけでも俺は幸せだった。
「…俺さ、子供の頃からのイメージっつーか、こういうもんだろみたいな構想があるんだけど」
「え?なんの?」
「…プロポーズって、婚約指輪を差し出してやるもんな気がするんだよな
貴也みたいな」
「あー、それはなんかわかる気がする。」
「でさ、婚約指輪って言ったらやっぱり給料3ヶ月分じゃん」
「まぁよく言うよね」
「だから俺、3ヶ月分貯めて用意してくるから
……もう少し、待っててな」
俺なりのけじめ。
俺なりの本気を、ちゃんと咲にもわかってほしいから。
「……うん」
また待たせちゃうけど、あと少しだけ待ってろよ。
ま、全部は俺の幸せのためだけど。