居場所をください。
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「ん……」
「あ、起こした?」
ベッドが揺れて、そんなことで俺は目を覚ました。
時計を見れば1時半。
「……こんな時間まで仕事してたわけ?」
「違うよー
明日の朝ごはんの支度とか保育園の支度とか、まぁいろいろ。」
「あー…」
……俺、やっときゃよかったな
ただただソファに座ってただけだったわ…
「ん、寝よ」
「美鈴」
「ん?」
「今日、よかった」
「ふふ、ありがと。
ちゃんと空まで届いたかな~」
そんな美鈴の声を聞きながら、朝陽が産まれた頃美鈴が言った言葉を思い出した。
『お母さんがどこにいるかなんてわかんないけど、やっぱり地球の空は繋がってるから
これから子供が増えていったら、みんな空に連想される名前にしたいな。
お母さんがひとりぼっちにならないように』
そう言っていた美鈴がつけた
朝陽に、碧翔に、飛鳥に、咲空。
名前の由来はあんまり教えてもらえないけど
美鈴なりに、想いの詰まった名前なんだろうな。
「……おやすみ」
そんな美鈴の声を聞きながら、俺はまた夢の中へと落ちていった