居場所をください。
「……………何にやけてんだよ。
気持ちわりーな。」
私は長曽我部さんのおごりで
やっとうどんに辿り着けました。
「気持ち悪いとかほんとひどいよね。
女の子に向かって。」
「はいはい、さっさと食え。」
「はーい。」
やっぱり私は嬉しくてにやけてしまうけど
今だけはいいよね。
必ず迎えに行くと約束したままの母は
もうこの世からいないけど
代わりに兄が来てくれたから。
社長………お父さんのことだって
私は恨んだりなんかしない。
きっとちゃんと愛し合ってたから。
それが不倫関係でもね。
きっと、私が娘だと知ったら
きっともっと愛してくれるから。