居場所をください。
「あっつー」
「え、出るの早くない?」
「あー、今日汗かいたから現場で髪の毛洗ってきたからシャワー浴びて浸かっただけだから」
「あ、そうなんだ。
今日は子どもたちリクエストで久しぶりにカレーなんだよー」
「だろうな。帰ってきた瞬間わかったわ」
「嬉しい?」
「嬉しい嬉しい」
貴也はそういってこちらに来て、冷蔵庫からいつもの水を取り出して一口飲み、水を持ってテーブル向かった、と思ったら
私の後ろを通り過ぎるときに頭をポンポンしていったから
もうそれだけでも、私の顔はニヤニヤしてしまうんだよっ…
「…ん?」
「ん、なに?」
「美容院いった?なんか触った感じ違う」
「あ、うん
ヘッドスパに行ってきたー。
サラサラでしょ」
「なんかふわっとさらっとしてる」
…ふふ、こういう変化に気づいてくれるから、ますます好きになっちゃうんだよね。
カラーしてもカットしても絶対気づいてくれるしね。
「ってかなんでヘッドスパ?」
「佐々木さんに、頭皮大事にすると顔のたるみ防止にもなるって聞いて」
「へぇ、そうなんだ」