居場所をください。
それから貴也にカレーを出して、私も貴也が食べ終わるまではダイニングに一緒に座っていた。
「ん、そういえば
佐藤さんがスケジュール調整してくれたから、明日の午後3時からハウスメーカーさんと打ち合わせになったから」
「え、明日?
映画撮影期間なのに大丈夫?」
「まぁ大丈夫なんじゃん?佐藤さんがなんとかしたくらいだし」
「なんか申し訳ないけど、そうでもしないと全然話進まないもんねぇ…」
そう、私たちはやっと、マイホーム計画を立て始めたのだ。
というか咲空が生まれる前から長曾我部さんにはここじゃ手狭だろって言われ続けていたし、生まれてからはそれに佐藤さんまで加わって
2人のおかげで土地決めとかする時間ができたから、そのまま話を進めている。
まぁ私たち的にはまだ1部屋で朝陽、碧翔、飛鳥が寝てくれるし、遊んでくれるし、咲空はまだ私たちと一緒に寝るし、リビングも広いから
手狭っていうほどでもないんだけど、将来的なこと考えたら引っ越しは必須になるし、家にレコーディングスタジオできたら家で仕事できるし
なんか仕事部屋的なのがあったらもっと違う気がするから、すぐにマイホーム計画へと動いたんだけどね。
「ってか土地めっちゃ広いじゃん?」
「ん?うん、そうだね。
あのあたりの家って庭にプールあったりするしね」
「豪邸になりそうだなー」
「え、嫌?」
「別に嫌じゃねぇけど、なんか俺似合わなそう」
「えー、そうかな?」
「まぁ美鈴は世界でも売れてるし、煌びやか~って感じだけど、俺なんて普通の役者だし」
「いやいやいやいや
誰よ、去年海外映画出た人。
普通に煌びやか~って感じだから大丈夫だって」
なに言ってるの、この人は。
アメリカのレッドカーペット歩いてた人誰よ。
私よりも絶対知名度あるからね、普通に。
ワールドツアーやったのだって私2回しかないし。
それに比べて全世界に公開された映画に出演、何回あんのよ。