居場所をください。
「ま、座りなよ。」
美鈴はそういって俺にお茶を出した。
「あのね、私両親のことを聞いたの。
母親が誰で、父親が誰か。」
「で、なんで長曽我部さん?
長曽我部はなんで知ってたわけ?」
「結論から言うと、私の父親社長だったの。」
「社長?
……………ってことは長曽我部さんと…」
兄弟ってことか?
「私の兄だった。」
「そういうことか…。
でもなんで…」
「私の両親は不倫関係だった。
私と長曽我部さんは異母兄弟。
長曽我部さんのお母さんからしたら
私は憎い子ってこと。」
「あぁ、だから長曽我部さんはあんなこと…。」
「そういうこと。
私のお母さんは病気で亡くなってた。」
「……………社長は知ってんの?」
「たぶん、お母さんが死んだことは知ってる。
でも私が娘ってことは知らない。
長曽我部さんは、このことは内密にって。」
「あぁ、俺は言わねーよ。」
「ありがと。
ま、そういうことだから。」
「美鈴の居場所は見つかった
ってことか…?」
「だね。」
そういう美鈴はすげー嬉しそうで
なんだかとことん俺が入る隙はないと感じた。