居場所をください。
そして隼也が注文をしてくれて
再び雑談タイム。
「ここ、仕切りとかないから
ちょっとどきどきする。
隼也がバレないか。」
「そんなこと話してたら余計バレるわ。」
「はは、確かに。」
でもそこまで満席じゃなくて助かる。
「ほんと、よく笑うようになったな。」
「あ、そうだった。
その話しに来たんだった。」
「うん、なに?」
「あのね、私の両親のことがわかったの。」
「え?」
私はあの日あったことを簡単に話した。
「それで私、身近に血縁者がいるってわかって
長曽我部さんの気持ちとか…そういうのがわかって
今すっごい幸せなんだ。
それでも普通の幸せ、とかではないけど
私の両親の居場所がわかって
私に兄がいて、いつも支えてくれてて
家族とは呼べないけど、それでも嬉しかったの。」
「そっか、よかったな。」
「うん!」
高校時代に冷酷女と呼ばれていた私も、
今ではすっかり普通の女子高生だ。
……………普通ではないかもしれないけど。