居場所をください。
私たちは街に出掛けた。
「美鈴何買うの?」
「とりあえずCD。沖野さんの。
前に沖野さんから直接もらったんだけど
あれ完全に保存用ってなってて
自分でも買いたいんだ~。」
「美鈴好きだもんね。」
「やっと買えるよー。
ずっと買いにいけなくて。」
私たちはCD屋さんに向かった。
……………。
「うわー、すごいね。
美鈴おっきー。」
私の特大ポスターが飾られていた。
「どんだけおっきいの作ってるんだか。
もっと控えてほしいよ。」
そしてたくさん並んだ私のCD。
「私、美鈴の買おーっと。」
「え?あげるよ?」
「ううん、買いたいの。
美鈴も沖野さんのもらったけど買うんでしょ?
一緒だよ。
あとでサインも書いてね。」
「ふふ、いーよ。」
「あ、笑った!」
「え?」
「美鈴が笑うなんて珍しいじゃん。」
「うん。私、両親のことわかったの。」
私は夏音にも話した。