居場所をください。
『友達ですよ~。』
友達って…どこが。
『君は五十嵐美鈴さんと大谷隼也くんが
一緒にいるところを見たんだよね?』
『はい、見ましたよ。
そこのショッピングモールで。
話しかけたんですけど逃げられちゃいましたけどね。
まずいとこ見られたって思ったんですかね。』
は?いやいや、あの時は和也がいたからじゃん…。
『それはいつのこと?』
『確か~夏?まだ暑い頃だったと思います。』
『じゃあその頃から二人は…』
『だと思います!』
いや、断言しないでよ。
『美鈴、親に捨てられてるから
少し優しくされるとすぐ好きになっちゃうみたいで~。』
は!?何言ってんの、この女!
『親に捨てられた?』
『あれ?知らないんですか?
美鈴、施設育ちなんですよ。』
『これは驚きの真実ですね!
確か事務所には正式な発表はなかったはずです!』
「……………これ、生?」
「え、あぁ…。生放送だな。」
私の質問に長曽我部さんが答えた。
『野いちご園って施設ですよ~。
前の学校では有名な話ですよ?』
「……………こういうの、プライバシーの侵害じゃない?」
「そうだな。事務所の許可もなく。
N局か…。」
『ま、美鈴のことならなんでも聞いてくださいね!』
と藍子が笑顔で答えてスタジオへ映像が変わった。