居場所をください。
「あれ、美鈴早いじゃん。」
私がパソコンとにらめっこしてると
久しぶりに聞く隼也の声。
「うん、少し早くついたの。」
「いつも俺の方が早いのに。」
「別にいいじゃん。」
隼也があまりにも普通に話しかけてくるから
私も普通に返すことができた。
「貴也と会ってる?」
うわ、いきなりそれか。
「……………会ってないよ。」
「キスされたんだって?」
「え、聞いたの?」
「うん。あいつから言ってきたし。」
「……………そっか。」
「気まずい?」
「気まずい。
会ってもたぶん話せないと思うし。」
「そっか。
男女の仲は難しいなぁ。」
「……………おじいちゃんみたいだね。」
「は?俺が?まじで勘弁して。」
「男女の仲とか言い出すんだもん。」
「うるせー。」