居場所をください。
「じゃあ美鈴ちゃんと大谷くん
始めるよー。」
「はーい。」
私たちは立ち上がった。
「えーとね、抱きしめ合って
お互い笑顔で見つめあって。
微笑むというより、笑って。
そうそう、その角度。」
……………近いよ、普通に。
「じゃあ撮影始めまーす。」
それから私たちはたくさん写真を撮った。
「確認しまーす。」
「……………あれ、長曽我部さん。
いつの間に。」
「ジャケ写は俺が決めるからな。」
へぇ。
「よし、これ。
加工でふんわりさせて。」
「はや。」
決めた写真は私が上を見て笑っていて
隼也の笑った口元が写っている
私の首から上の写真。
「ちょっと全身も撮って。
隼也の顔も入れて。」
ということで私たちはまたさっきのポーズ。