居場所をください。
「長曽我部さん、どうしよう。
もう書き終えた。」
「え、はや。
まだ15分じゃん。
見せて。」
思ってることを素直に書いたら
すぐに出来上がった。
「ここいいな。
"その笑顔が私だけに向けられればいい
そう願う私は結局まだ君の事が好きで"
ってとこ。
共感する~。みたいな感想でそう。」
「他は?」
「他ぁ?
俺的にはそのあとの
"そんな奇跡が起こるわけないということを
私はちゃんとわかってる"
ってとこがすき。」
「なるほど。」
「なるほどって。
最後もいいな。
"奇跡が起きなくても
私は君という名の居場所を探してる"
ってやつ。アカペラでもいいかも。」
「それかなり恥ずかしいやつ。」
「いいじゃん。
これで曲終わるし。
俺にデータ送っといて。」
「はーい。」
「美鈴は気に入ってるとこねーの?」
「んー、"偽りばかりの世界で見つけた
偽りのない気持ち"
あと"偽りばかりの世界で私はずっと
居場所を求めさ迷っています"。」
「ふーん、なるほどな。
じゃっかん俺たちへの当て付けじゃねーか。
で、タイトルは?」
「居場所をください。」