居場所をください。



「で、なに?」


何か用があるから来たんでしょ?

なんかもうどう接していいのかわかんないよ。


「あのさ……ごめんな。」


「え?」


「キスして。」


「あー…もういいよ。

私もごめんね。なんかどんな顔すればいいかわかんなかった。

怒ってたわけではないから。」


「……………そうなの?」


「うん。

戸惑ってただけだから。」


「そっか。

じゃあ前みたいに話してくれんの?」


「話すのは嫌じゃないけど…

私たち二人で会うなって言われてるじゃん。

会社とか現場とかでばったり会って

少し立ち話程度ならいいけど

それ以上はむりじゃない?

話す機会がないから。」


「…確かに。」


「今は貴也には赤堀さんもいるわけだし。

避けたりはしないけど話すことはほとんどないよ。」


「……………そうか。」



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