居場所をください。
沙耶香side
家に帰ってきた私はベッドに寝転がり
考え事をしていた。
ポスターを嫌そうに見つめる貴也
五十嵐さんのCDを見つめる貴也
あんな顔を見ると
どうしても好きな人は五十嵐さんなんじゃないか
と疑ってしまう。
~♪~♪~♪
その時私のスマホがなった。
「もしもし、お兄ちゃん?」
『おう、俺。
頼まれてたこと長曽我部さんに聞いたけど
やっぱ相手が長曽我部さんじゃ聞き出せねーよ。
あの人タレントのプライベート喋る人じゃねーし。』
「だよねー…。」
『でも美鈴は貴也の事好きだよ。』
「え?」
『それは本人から聞いてるから間違いねーよ。』
「……………そっか、ありがと。」
『あとな、美鈴のマンションに
貴也が出入りしてんの何回か見た。』
「なにそれ。私と付き合ってるときも?」
『あぁ。』
「……………部屋であってるってこと…?」
『じゃねーの?
よくわかんねーけど。』
「……………わかった。ありがと。」
私はそれだけ聞いて電話を切った。